横井久美子 東京新聞「本音のコラム」 2001年10月2日 |
勇気ある女性 やはり女性だった。 アメリカの連邦議会で武力行使決議にたった一人反対したのは、民主党のバーバラ・リー下院議員だった。 先週の本紙「こちら特報部」で、このリー議員についての記事を読んでたいへん勇気づけられた。 記事のなかには、米国初の女性国会議員ジャネット・ランキンの名前もあった。ランキンは、一九七三年に九二才で亡くなるまで、女性参政権や平和運動の先頭に立ち、二度にわたる世界大戦への米国の参戦決議にたった一人反対したことで、米国史にその名を残している女性だ。 今回のリー議員も、「軍事行動はテロを防ぐ手だてにはならない」と反対投票をしたが、その直後は、「裏切り者」「非国民」と抗議が殺到したという。しかし、半月たった現在では、日増しに、リー議員を支持する声も多くなっているそうだ。 私は、ランキンからリー議員につながる勇気ある米国の女性魂に拍手を送りたい。 日本でも、自衛隊をインド洋へ派遣する法律が準備されている。さあ、今度は日本の女性魂が問われる番だ。 私たちの国は、この半世紀、世界のどの国の、どの女性の夫や息子や子供の命を、誰一人として戦場で奪ったことがない。戦後五十年、世界に誇るべき平和憲法を守ってきたからだ。その日本女性の誇りをいまこそ示したい。 横井久美子 |
タイトル一覧へ HOME |