横井久美子 東京新聞「本音のコラム」 2001年10月16日 |
広がる「戦争反対」 世界各地で「テロを糾弾し、空爆に反対する」抗議行動が広がっている。ニューヨークでもローマでもロンドンでも、数百人から何万人規模の抗議行動が続いている。 音楽家の動きも活発だ。オノ・ヨーコさんは、ニューヨーク・タイムス紙に全面広告を出した。ニューヨーク在住の宇多田ヒカルさんのホームページにも、「『テロに対する戦争』だっていってるけど、どうしてもそれもまた全人類に対する攻撃にしか思えないの。二一世紀が泣いている、、」とあった。 日本国内でも、連日さまざまな集会やデモが行なわれている。私も、上野公園水上音楽堂で開かれたアーティストによる「緊急ライブ集会」に参加し、歌った。若者たちがたった二週間で実現した集会だったが、喜納昌吉さんはじめ、多くのアーティストが参加した。 しかし、こうした世界や日本で起きているさまざまな抗議行動を、ていねいに伝えているメディアは少ない。とくにテレビは、日本国内の「戦争反対」の声を黙殺しているかのようだ。その一方で、アメリカ政府や日本政府の広報番組のような「ニュース」が、連日お茶の間に流され、自衛隊を派遣することが「国際正義」であるかのような気分をあおっている。 メディアは、日本を「戦争拡大」に追い立てるのではなく、もっと「戦争反対」の声を、公正に伝えて欲しい。 横井久美子 |
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