横井久美子 東京新聞「本音のコラム」 2001年11月13日
ナイスエイジングを!

先月の末からささやかな集いをはじめた。題して「新宿女塾(にょじゅく)」。
 男女雇用機会均等法が施行されて十五年。まだまだ女性は、職場や家庭で多くの壁に阻まれている。「女性たちよ、語りうたい、手をつないで元気になろう」と企画した。 
 初回の講師は、産婦人科医の野末悦子さん。「更年期なんか怖くない」と、中年女性の身体の変化と治療法について話して頂いた。参加者は、その場でチェックシートに、自分の身体の状態を書き込み、点数を見て落胆したり、安心したり、。こんなに大勢で、明るく「更年期」を語るなんてそうあることではない。それも男性も含めて。
 長い間「更年期」という言葉は、「女の終わり」「ヒステリー」など、中年女性を暗に揶揄し差別する意味が込められてきた。最近でも、田中外務大臣の言動を「あれは更年期じゃないの」と、石原都知事が使っていた。ジョーダンじゃない。日本を代表する主都東京の知事が、こうした言葉を軽々しく女性に投げつけるとは本当に情けない。
 今や、日本女性の平均寿命は八四歳を超え、私たち女性は、人生の後半を、「更年期」後に送ることになる。
 「更年期」は、「女の終わり」ではなく、まだたっぷりと人生を楽しむことができる「人生の新たなはじまり」なのだ。前向きに生きてナイスエイジングを!

横井久美子

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