横井久美子 東京新聞「本音のコラム」 2001年11月20日
時代を開く女性たち

 最近、素敵な若い女性たちに出会っている。
 この欄でも紹介した国連難民高等弁務官事務所の職員千田悦子さん。津田塾大学の塾祭で対談したTVキャスターの草野満代さん。そして、先週会った映像ジャーナリストの坂上香さん。 
 千田さんは、国連の職員としての制約がありながらアフガニスタンの平和について自分の考えを訴えた。
 草野さんは、靖国神社へ取材に出かけた折、右翼に暴言を吐かれ、恐怖を感じたながらも、勇気をもって対応した。
 坂上さんは、ディレクターとして、日本軍の従軍慰安婦問題を裁く「女性国際戦犯法廷」のTV番組に対する「外部からの圧力」とたたかい、最近、フリーの映像ジーナリストとして再出発した。
 いずれも三十代だ。そのキラキラした目は、現場でもがきながらも真直ぐ自分の良心に従ってたたかっている輝きがあった。
 ひと昔まえの日本なら、どんなに能力のある女性でも社会の壁は厚かった。どんなにたたかっても、苦しい挫折を味わった。
 しかし、今は違う。だれでも全力でたたかえば必ず道が開けてくる。閉塞した日本社会が自分の意志を貫く個性豊かな女性をたちを求める時代になっているのだ。彼女たちのキラキラ光る大きな目が、新しい時代、二十一世紀の日本を切り開くのだと、私に語っていた。

横井久美子

タイトル一覧へ HOME