横井久美子 東京新聞「本音のコラム」 2001年12月4日 |
夫婦別姓 夫婦別姓に関する民法改正案が、十二月七日の会期末までに提出されるかどうか危ぶまれている。 現在の民法では、結婚後、どちらかの姓しか選べず、九八%の女性が夫の姓を名乗っている。しかし、二◯◯一年の世論調査では、はじめて別姓賛成が多数になった。 私のまわりでも子供を持ち、別姓を通している若い人が増えてきた。彼女たちは「別姓は、家族の絆が損なわれるというけど、姓が違うだけで崩壊するような家庭は、たとえ同姓でも崩壊するんじゃないの?」と言う。なるほど正論だと思う。 しかし、民法を改正してもらわないと、別姓は不利益をうける。 私は仕事用と戸籍用と二つの姓を使ってきたが、郵便局で書留などを受け取る時は苦労する。「横井久美子」を証明する公的書類がなにもない。一番困るのはパスポートが戸籍名でしか発行されないことだ。ある時、成田空港に向かう途中、チケット名が「横井久美子」となっているのを発見、冷や汗をかいた。 憲法二四条では、結婚は「個人の尊厳と両性の本質的平等」とうたっている。日本の最高裁でも、「姓名は、人格権の一内容を構成する」という判例をだしているという。 姓名は、人格の象徴だ。だからこそ、別姓、同性どちらでも選べる選択的夫婦別姓を早く実現させたい。 横井久美子 |
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