横井久美子 東京新聞「本音のコラム」 2001年12月25日 |
おなじ空 おなじ子ども アフガニスタンに暫定政権が発足した二二日、戦場で育ち戦場で死んでゆく子どもたちをなくしたいと、新曲「おなじ空 おなじ子ども」というCDを発売した。 テロの起こる前、黒柳徹子さんがテレビ「アフガンレポート」で、餓えのあまり土のついた草を食べている女の子や、地雷で足を吹き飛ばされた羊飼いの少年の姿を伝えていた。あまりの惨状に涙が溢れた。その後、テロが起こり、アフガン空爆がはじまった。すでに長期にわたる内戦と旱魃で、国民の多くが飢餓寸前の小国が、今度は戦場となった。 ユニセフによると、たった五◯◯円で、六八人分の経口補水塩を買うことができ、脱水症状で死んでゆく子どもを救うことができるという。 ただ涙を流すだけでなく、歌手としてできることでアフガンの子どもの命を救う力にしたいと思った。 「渇いた大地/渇いた涙/草を口にする子どもたち/渇いた希望/これ以上奪わないで/子どもたちに輝く瞳を/おなじ空 おなじ子ども」 CDの収益はすべてアフガンの子どもたちに送る。 幸いなことにインターネットも含め、どんどん申し込みが続いている。自衛隊の軍事力による後方支援などではない、音楽による草の根支援の広がりに、励まされている。 どの国の、どの空のもとの子どもたちにも平和な世界が早く来ることを願っている。 横井久美子 |
タイトル一覧へ HOME |