横井久美子 東京新聞「本音のコラム」 2002年2月5日
2000人の想いを

 昨年十二月末、アフガニスタンの子どもの命を救いたいと緊急製作したCD「おなじ空おなじ子ども」は、発売一ヶ月余で目標としていた二千枚を達成した。短期間ではあったが、一枚一枚に込められた音楽による草の根支援の広がりに日々励まされた。
 なかでも、三重県の小学校五年生担任の先生から頂いたファックスは嬉しかった。
 昨年九月から、新聞を使った授業の取り組みをはじめた頃「同時多発テロ」が起こり、それ以来、子どもたちは、ニュースに釘付けになり毎日学校へ新聞を持ってきた。その後の「アフガン空爆」などの記事にも関心を示し、学習やディベートなどにも発展した。子どもたちは、「私たちは日本で平和に生活している。でもアフガニスタンの子ども達は住む家も奪われ、食べるものもなく苦しんでいる。自分たちにも何かできることがあるんじゃないか?」と声をあげはじめたという。そんな時生徒の一人から「先生、こんなCDがでるんやで」と、私がCDについて書いた「本音のコラム」を見せられたというのだ。
 さて、CDの収益の全額百万円は、医療NGOぺシャワール会の中村哲医師に二月三日に東京でお会いして、二千人の方々の熱い想いと共にお渡しした。同会は、現在、パキスタン、アフガニスタンで一病院十診療所を設立し、年間二十万人の無料診療を行っている。

横井久美子

タイトル一覧へ HOME