横井久美子 東京新聞「本音のコラム」 2002年2月19日 |
ノーベル平和賞? 「えっ、ブッシュにノーベル平和賞?」と、友人からのメールを見て唖然とした。 ウォールストリートジャーナル紙によると、「ブッシュ米大統領とブレア英首相が、テロと戦い、世界平和を確保したとして、二◯◯二年ノーベル平和賞候補に指名された」とノルウェーの国会議員が公表したというのだ。 「これってブラックユーモア?」。テロリストを壊滅させるために空爆を強行し、結果、多数の罪もない市民の犠牲者を出した報復戦争。ブッシュ大統領は、「世界平和を確保」どころか「米こそ唯一の正義」とばかりに、さらに戦争を拡大しようとしている張本人だ。今年になってブッシュ大統領が打ち出した「悪の枢軸」論は、ヨーロッパはじめ世界各国から厳しい批判を浴びている。 そのブッシュ大統領が初来日した。「流鏑馬」の絵を送られ「悪と戦っている」という大統領に、小泉首相は、平和憲法を持つ日本の立場をビシッと主張しただろうか。 田中前外務大臣いらい、「伏魔殿」外務省の改革が課題になっている。しかし、この「伏魔殿」は、戦後五十年余、変ることなくアメリカ追随外交を繰り返してきた日本の卑屈な「外交政策」が生み出したものではないのか。 真の外務省改革は、世界のどの国とも対等平等な関係を築き、世界平和に貢献する自主的な外交政策からしか始まらないと思う。 横井久美子 |
タイトル一覧へ HOME |