Kumiko Report 10/4/2002
本が出ます−「ゆるゆるふっくり」
 新日本出版社 10月22日発売


お元気ですか。
私はまた、異常な忙しさの波に飲み込まれ、このホームページもなかなか更新できずにいました。

9月は、できればアフガニスタンに行きたいと予定を空けていたのですが、取りやめました。というのは、8月中旬、アイルランドに出かける直前に、急に本の出版が決定し、すでに発表したコラムとはいえ、大変でした。というのは、本にするなら「ただの私に戻る旅」から「本音のコラム」までの道のりを書きたいと思っていたからです。アイルランド滞在中も、また帰りの飛行機でも、原稿を書いていました。
(帰りはナントビジネスクラスでしたから、ゆっくり仕事ができ、ラッキー!)

前の「ただの私に戻る旅」は1年がかりの本でしたが、今回は1ヶ月半でした。でも、担当の女性編集者がすごいベテランで、締め切りに追われながらも、シブトク緻密な仕事ぶりで、本というのは、こんなに丁寧につくるのかと感心するほどでした。
だから、いい本になったと思います。

宣伝文に「女性歌手が世紀の変わり目に見た、世界のこと、日本のこと」とあり、文筆家でもない私が、三年間あんなに苦労して書いた「コラム」が本になったのは、本当に本当に嬉しいです。
是非、手にとって読んでください。
10月26日、渋谷The Hall の「みんなみんな輝き塾」では、編集者とのトークとできたばっかりの本のサインセールをします。



ポーランド・チェコツアー&コンサート
(7月25日〜8月1日)

ナチの占領下、ひそかに人々に歌われていた「禁じられた歌」を歌おうとはじめてポーランドへ。
昨年の春の下見の時出会った26歳のピアニスト、アンナ・ボグザールの伴奏で「モンテカシノの赤い芥子」など「禁じられた歌」を。そして、アンナのショパンの演奏には「背筋がゾッとする」ほど感動。

圧巻は、古都クラコフの中央広場でのハプニング。私たちが歌を練習していたら人々が集まってきて、それでは、と私は突然ベンチをステージに、「禁じられた歌」野外ライブ。年配の人がじわじわと歌に参加し、涙を浮かべながら一緒に歌う人も。次第にその声が大きくなっていく様子にツアーの参加者もみんな大感動。
ナチの支配に抵抗し、戦ったポーランドの人々の誇りを、歌が掘り起こし、歌が励まし、歌が日本とポーランドの交流、連帯を創りだしたクラコフの夕暮れのひと時でした。

ツアーは、アウシュビッツやチェコのナチスよって消された村、リゼッツェ村の見学という20世紀の負の遺産を体験する一方、21世紀に入って、なお、力で世界を制圧しようという動きのなか、歌を通して、民族の誇りを学び、受け継ぎ、世界と連帯していくことは現代的なテーマであると実感しました。

来年もポーランドへ行こう!と思いました。



アイルランドツアー&コンサート
(8月16日〜23日)

リマリックの聖メアリー大聖堂でのコンサートも4回目。今年はサンドラが、ノルエーのコンサートとぶつかって、私はハープとフルートの若い女性デュオと共演。そして北アイルランドのデリーでは、今年もまたBBCラジオに生出演。
また、旅の最後、ダブリンのディナーショウでは、突然バンドのリーダーに呼び出され、「私の愛した街」を歌った。借りたギターはうまく弾けなかったけれど、バイオリンがすぐあわせてくれて素敵な感じになった。昨年夏、デリーで歌ったことが「アイリッシュタイムス」やBBCテレビや各メディアでほうじられ、彼らの目に留まったようだ。

それにしても、イタリア人、フランス人など百名以上の観光客の前で、あまり緊張もせず、恥ずかしげもなく下手な英語で自己紹介をし、歌うことができるようになった自分に我ながら感心する。アイルランド留学以来のこの時間とお金をかけた「アイルランド行き」の苦労(?)にパチパチと拍手を送りたい。

私の音楽だけでなく、なぜかアイルランドのツアーは、毎回、自分を再発見し、自己回復をする人を生むツアーでもあります。やはり、アイルランドという国は、人を癒す力があるのです。もういい加減アイルランドに飽きるのではと思いながら、私は、ツアーを終わってみてその魅力にまた来年も、と思うのです。



これから年末までスケジュールがいっぱいで、各地でみなさんにお会いするのを楽しみにしています。
10月27日の「みんなみんな輝き塾」は、 ポーランドやアイルランドの報告や歌を歌います。12月7日東京、8日名古屋の出版パーティは、楽しいティーパーティにしたいと企画しています。是非たくさんの方においでいただきたいと願っています。

それでは、また。お元気で。 横井久美子


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