Kumiko Report 11/19/2002
名実ともに 岐阜は Central of Japan!

17日、岐阜市民会館で「沖縄・ベトナム その30年」があり、横井をトップバッターに、世界的報道カメラマンの石川文洋氏と中村悟郎氏の対談、その後、本多勝一氏の講演という豪華企画があった。
保守の牙城といわれる岐阜県で、1000人近い人がホールを埋めた。こうした知的で社会的なテーマでこれだけの人が集まるって、岐阜県人のインテリジェンスはまさに、Central of Japan と思った。

この企画は、石川文洋さんの写真展をしたいという熱い想いが出発点になり、3年ごしの企画だったという。きっと、この成功までには、さまざまな苦労があったに違いない。二次会で、私の隣に座ったAさんは成功と安心のためか嬉し涙。ウーン、こういう涙って、久しぶり。私の30年の音楽歴のなかで、70年代から80年代にかけてはこうした感動によく出会った。大きなことに挑む熱い思いと勇気。そして、感動の涙。

私は、何十年ぶりかで「ガソリンまみれのオートバイ」を歌った。これは、私のデビューアルバム「ハノイにうたう」にも入っている。この歌は、1972年の沖縄復帰前の事件をテーマにしているけれど、復帰前と復帰後はどう変わったのかと悔しく思う。もちろんパスポートはいらないけれど、基地は相変わらず、その被害も相変わらずではないかと。そして、「正義は勝つ」と教えてくれたベトナム戦争は、未だに枯葉剤の二次被害の子どもたちを生み出している。

21世紀を再び戦争の世紀にしてはならないと改めて思う。例えどんな名目をつけようと、戦争は最大の悪業だ。二人のカメラマンの写真。本多勝一さんが話された化学兵器の恐ろしさ。石川文洋さんは、「戦争を阻止するには、戦争を知らなければならない」といわれ、その言葉が胸に突き刺さった。誰も、むごい写真は見たくない。辛い歌は聞きたくない。ハッピーな耳障りのいい世界に浸りたい。でも、戦争を阻止するには、、、、。戦争を阻止するには、、、、、。

この大型企画に私も出演できてとても光栄でした。輝き隊も、この顔ぶれならと、東京、広島、静岡などからたくさん参加してくださって嬉しかった。
翌朝、秋晴れの空の下、秋色の山と美しい長良川を眺めながら、岐阜からの風を各地に伝えたいと思いながら帰ってきました。今、おみやげの甘い柿を食べています。

横井久美子

2002年11月19日

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