Kumiko Report 2/14/2003
これってブラックユーモア?

9日、福山の診療所のロビーでの楽座も、11日、京都のギャラリーでの写真に囲まれての楽座も、たくさんの新しい出会いがあり嬉しかった。

私は、翌日からフリーダムスタジオで、6枚組CDの選曲および音の調整に入り、あと数日で終了予定。びっくりするような音源が出てきて、ワクワクしながら作業。もう横井久美子にほんの少しでも興味があるなら、絶対聴いてもらいたいDisc6になりそう。数日後には、Disc6スペシャル盤の曲目発表ができます。

それはそうと、洋画家の中川一政さんの残した絵が、ゴッホ作だと判明し、作者不詳の時は1万円だったのが、ゴッホの「農婦」と分かり、8日のオークションで6600万円に。この世はこんなにブランドに弱いのかと、私はいささかがっかり。芸術の良し悪しは、その作品の良し悪しではなく、ブランドなんだと、改めて人々の鑑識眼に落胆。ゴッホは生存中は、1枚しか絵が売れず、それも弟が買い取ったといわれる。

私は、有名な洋画家というだけで中川一政という人間を知らない。でも、もしかしてこれは、彼のブラックユーモアか、いたずらかと思った。彼自身はゴッホの絵と知っていて、誰にも言わず、この絵をこのブランド信仰社会に放り出し、彼の死後、この絵がどんな運命をたどるのかと。もし、そうだったら私は、ガゼン中川一政という人に興味を持つのだけれど、、、。でも友人いわく「彼も知らなかったんじゃないの」

こうなると、私のCDも、今はそれほど知られていなくても、私の死後、何かの拍子に、ぐっと価値が高まるかもしれない。ただ、CDや本は、たった一枚の絵と違って、何度でも量産できるのが、玉にキズ。でも、私は、死んでからチヤホヤされるなら、今、生きている間にチヤホヤされたいタイプ。ということで、皆さんヨロシク。(何を?)

20日からのベトナム公演を前に、CD制作や来年のコンサート作りなど、もう、1日、1日の仕事が秒読み状態。風邪にも、花粉症にも敬遠されて元気いっぱい。16日は「ありがとう!ふきさんの会」。ゲストは97歳の作家松田解子さん。私ももっと元気をもらってきます。

横井久美子
2003年2月14日

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