Kumiko Report 3/10/2003
勇気をもらった男女共同参画セミナー

埼玉県の白岡町は上野から45分くらいの東京都のベッドタウン。そこで男女共同参画セミナーの講師として講演&公演した。1999年6月「男女共同参画社会基本法」が制定されて以来、こうした企画に出演することが多くなった。

ホール一杯の人たちを前に、私は、100年前の金子みすずの時代から現在までの女性の生きてきた歴史を、自分の音楽活動と重ね合わせて話し歌った。また、ベトナムでの枯葉剤被害の子供たちのこと、前日、名古屋でデモに参加したこと、戦争をおこしてはならないことを話し歌った。いつもの音響、照明スタッフも一緒で、「赤い椿と青いげんぼし」はステキは照明だった。アンコールには、安田さんと「アシンボナンガ」を歌った。

終了後、多くの女性が「良かったではなく、スゴーク良かった」「コンサートに来て人生の勉強をした」「海外の音楽家に比べ、日本の音楽家は、ちっとも自分の意見を言わないのに、あんなにはっきり戦争反対を言うなんてすごい勇気」などなど、嬉しい反響があった。しかし、私は、特別、勇気ある発言をしたわけでない。「デモをしましょう」とか「戦争に反対しましょう」と呼びかけた訳ではなく、ただ、私が歌を通して伝えている私の想い、私の感じた同じことを言葉にしたに過ぎない。

勇気があるのは、私ではなく、このセミナーの中心人物だ。今回、私がセミナーの講師として呼ばれたのは、たった一人の女性が声を上げたことからはじまった。彼女は群馬県の春秋楽座に参加し、初めて私の歌を聞き、「自分が、横井さんのことを何も知らずこんなに感動したのだから、他の人だってかならず同じ想いになってもらえる」と、このセミナーの企画に推薦し、他の委員に声をかけたという。

今朝、彼女からメールをもらった。
「私は97年に初めて横井さんの歌を聞いたときの感動を忘れられないでいました。そして、この感動を白岡の人にもお伝えしたいと思っていたことが、こんなに素晴らしい形で実現できたことを本当に嬉しく思っています。感謝の言葉、気持ちから良い関係が広がり、深まっていくことを、わたくしもこれからの人生において、一番たいせつにと強く受け止めました。そして、6枚組のCD 『VIVA KUMIKO』を自分へのプレゼントにしたいと思います。予約をお願いしたいので宜しくお願いします。」

私は、こういう人を本当に「勇気ある人」と言いたい。なぜなら、自分しか知らないたった一人の感動を、自分だけに終わらせず、伝えるという「行動」に移すことができるからだ。想うことは、ある程度誰でもできる。でもその想いを行動に移すには、勇気が必要だ。私も大きな勇気を彼女からもらった。そして、彼女を信じ、共にこのセミナーを成功させてくれた白岡町の輝いていた女性たちにも。

横井久美子
2003年3月10日

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