Kumiko Report 4/2/2003
NO WAR ON IRAQ 4・2集会


昨日とは打って変わって東京は寒くて冷たい雨。
明治公園は、開会前30分には、数十人しかいなかった。こんな日にどれだけの人が集まるのかしらとも思ったけれど、ゼンゼーーン心配しなかった。雨だからといって「戦争やめろ」の声をやめるわけにはいかない。私は、今日は歌うぞと元気一杯だった。6時半の開会には傘、傘、傘の人の群れ。一万人以上の人が参加した。

幼子を連れたお母さんが開会の挨拶。瀧上尚子さんによる「アメージンググレイス」。日本山妙法寺僧侶の呼びかけ人挨拶。政党の挨拶のあとに、呼びかけ人でもある中山千夏さんと矢崎泰久さんのトーク。そして私の歌「おなじ空 おなじ子ども」。

当時、参議院議員であった千夏さんは、私の1冊目の本「雑踏・歌・そして私」で登場してもらった。久しぶりでこういう集会で千夏さんのトークを聞いて嬉しかった。
だから私は歌っているとき、後ろに座っていた千夏さんに「今日は千夏さんに会えてすごく嬉しい。千夏さんも歌手だよね。一緒にうたって」と声をかけた。すると、千夏さんは、前に出てきて「おなじ空おなじ子ども」と歌ってくれた。

日本には、著名人や有名人といわれる人はワンサと居るけれど「行動するホンモノの文化人」は少ない。彼女は、数少ない文化人であり、今後、年を重ねるごとにその存在が注目されると思う。なぜ私がそう確信するかというと、彼女が人々を前にして自然体であるからだ。「エライ人ほどフツウ、フツウがエライ」と私は確信している。

数年前、1995年にノーベル文学賞を受賞したアイルランドの詩人シェーマス・ヒーニー氏が来日し、大江健三郎氏と共に講演会があった。英語はよくは分からなかったのに、ヒーニー氏からあふれ出るオーラに圧倒された。終了後、アイルランド大使館でレセプションがあり参加した。講演会で、あれほどのオーラを発していた人が、近くの姿はフツウだった。ヒーニー氏も北アイルランド出身なのに、英国に抗議して故郷を捨てた行動するホンモノの文化人である。

その後も、集会は、ダンプ300台でパレードした大阪の組合の代表や高校生の発言が続き、最後は、全員で「翼を下さい」を大合唱して終わり、デモ行進に出発した。

私は、ギターを持っているので、今日は行進をしないで帰ろうと歩いていたら、「アッ横井さんだ」という女性たちがいた。「私たち、横井さんが今日出演すると知って川崎からきました」と証拠写真をパチパチ撮ってくれた。

寒い雨の集会だったけれど、千夏さんはじめ、出演者や、裏方や、もちろん1万人余の人たちにとってこの雨は、イラクの人たちの流す涙と感じたに違いない。



写真は、高校生の頃から「戦争で殺されるより、戦争反対の運動で死にたい」と思っていたという方から送られてきた写真です。

横井久美子
2003年4月2日


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