Kumiko Report 4/27/2003
みんなみんな輝き塾


今回は場所を渋谷から川崎市に移して開催。かって京浜工業地帯の中心といわれた名残りか、会場は、現役の働く女性が多く、活気溢れ、100人を超える人が集まった。

ゲストに「ゆるゆるふっくり」で紹介した神奈川県おやこ劇場事務局長の平木美那子さんをお迎えしたこともあって、子どもの詩に私が曲をつけた歌があったことを思い出して10年ぶりで歌ってみた。

「死ぬのがこわい」

おばあちゃんになって 死んでしまうことがこわいの
眠って忘れようと思うけど、忘れられないの
死んでしまったら みんなに会えなくなってしまうでしょ
おかあさんどうしたら 忘れられるの

遊んでいるとき ぼんやりしているとこわいの
足のつめの穴から ずっと入ってくる
お腹をとおってね 頭にはいってしまうんだよ
おかあさんどうしたら 忘れられるの
死んでしまうことがこわいんだよ

この詩は、娘が保育園生のとき私に言った言葉にメロディをつけた。
次の詩は、小学校の先生から頂いた。小学校3年生の詩に曲をつけた。

「人間の子が好き」

お母さんがたきびをしてくれた 
とてもあたたかくいいきもち
猫かっていいとそっと聞いてみた 
どもならんと言われた
どうしてダメなのと私が聞くと 
障子破るからこまると
私はがっかりして 
おかあさんをにらんだら
人間の子がいちばん好きとお母さんは言った
私はニヤリとわらった

まだまだありますが、本当に子どもの詩って、ハッとしたり心を洗われます。

平木さんは、「子どもは、大人以上に感性が優れている。幼い頃から優れた舞台芸術を観ることで、その感性を磨き、より豊かな子どもを育てたい」と、おやこ劇場に関わって30年余の想いを短時間でしたが語ってくれました。単なる鑑賞団体ではなく、創造団体であると。

私は、戦争を引き起こしたり、加担したりする人間は、文化力(想像力)が皆無なのだと思う。言葉では、戦争か平和かと問われれば、平和がいいと誰もがいう。けれど言いながらも、戦争をしかけ、支持し、また無関心でいるのは、爆撃で親や子どもをなくす悲しみや、両腕や両足を吹き飛ばされる痛みを想像しない(できない)からではないか。

文化とは、体験していないことを想像する、思いやる力だ。「おやこ劇場」は、そうした想像性に富んだ文化力あふれる子どもを地域ぐるみで育てている。「おやこ劇場」は、日本の世界の未来を担う子どもたちを育てる壮大な仕事をしているのだと、改めて思った。

横井久美子
2003年4月27日



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