Kumiko Report 6/12/2003 |
ゴージャスな春秋楽座 輝き隊の代表でもある藤沢さんの「花がすき歌はがすき杉並30人組」は今年でもう4回目。毎年、西荻窪のレストラン「こけし屋」で行われるこの楽座は、とてもゴージャス。なぜかというと、お花のグループ「アガサンサス」の素敵なお花、大瀧さんのスケッチの展示、着物姿の女性たちと会場がとても晴れやか。CD[おなじ空おなじ子ども」に収録し、最近よく歌っている「花がすき」は、2年前、「アガサンサス」のお花があまりに美しく会場を彩っているのに感激し、出演直前に控え室でつくった歌。休憩には老舗こけし屋のケーキとコーヒーも出る。 こけし屋さんは、故櫛田ふきさんと「ふきと久美子のトークライブ」を17回も続けた会場でもあり、絵やお花や着物姿の方たちに囲まれて歌う喜びは格別。有事法制が通過した直後でもあり、「沈黙は共犯」「息をすることは行動すること」と、100歳でガイドライン法反対と銀座デモを呼びかけられ、車椅子で参加された櫛田さんを思い出す。時代はどんどん悪くなり、だからこそおしゃれをして、花を愛で、歌を歌い、音楽を楽しむことが必要だと思う。私が私らしく生きられる世の中であってこそできることなのだから。 「ライブはそこに参加した人だけの宝物」と『ただの私に戻る旅』で書いた。最近、ますますその思いが強い。その日も、よくライブに来てくださる方が、「何度聞いても歌が違うのよ。CDよりライブがいいわ」と力説して帰られた。確かに、逆にライブよりCDのほうが良いといわれたら私は傷つく。歌は、歌を歌う空間とその空間に存在する(目の前にいる)人々の息遣いの中から生まれる。だからおなじ歌を歌っていても、会場が違い、目の前にいる人が違えば、歌が違ってくる。歌は生き物なのだ。だからこそライブ(生きている)という。 「死んだ男の残したものは」は、歌っていたら想いがぐんぐん溢れてきて、アドリブでメロディが出てきて歌っていた。ライブの現場でそんな風になったのは初めて。最近、ライブをするたびに、歌うことから自由になっている自分を発見する。だから、私のその自由さ加減も含め、参加し人の息遣いから生まれる「ライブはそこに参加した人の宝物」だと思う。 その日は、櫛田さんの長女である画家の伊達緑さんの顔もあって嬉しかった。また、私の尊敬する津田塾大学の名誉教授の江尻美穂子先生も参加してくださった。超お忙しい江尻先生を引っ張りだしたのは、江尻先生の先輩にあたる藤沢代表のおかげ。豊かな時間をつくってくださった方々に感謝。 横井久美子 2003年6月12日 |
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