Kumiko Report 6/27/2003 |
セクシャルハラスメント 一昨日、24日夜、帰宅中の電車で、男性の読んでいるスポーツ紙の「筆坂辞任」の見出しを見てびっくり。早速、途中下車をして、その新聞を買った。 その後、日本共産党の記者会見や、新聞、テレビの報道を見て、二つ疑問を持った。 一つは、筆坂氏が国民の前にいっさい現われず謝罪しなかったこと。国民に選ばれた国会議員が、自らの意志で辞任するなら、その理由を自ら語るべきだと思う。筆坂氏は、「女性のプライバシーを守る」責任と同時に、国民に辞任の理由を明らかにする責任がある。 筆坂氏が所属する日本共産党が、襟をただし厳しい処分をしたのは、あまりにもデタラメな政党が多い中で、政党として立派だ。けれど、これは、問題を起こしたいい年の子どもの代わりに親が必死に防波堤になっているようなものだ。親としては災難だと思うけれど、でも、こうしたやり方は、本当の子どもの再起のためにはならない。 だって、筆坂氏は、一番大切な記者会見で国民に向かい合わないで、今後どこで彼は、国民と顔をあわせるのだろう。「罪を憎んで人を憎まず」で、あれほど弁舌爽やかな有能な人が、このまま終わっていいはずはない。人間誰でも反省し、罪を償えば、国民の一人、共産党の党員の一人として生きていかなくてはならないのに、筆坂氏を記者会見に同席させなかったことは、その今後の芽を摘みとってしまったように私には見える。 政党という組織とその政党を構成している個人との関係を考える上で、また、組織と個人が「みんなは一人のために、一人はみんなのために」という関係になるには、まだまだ時間がかかる難問なんだと思った。 二つめは、今回「セクハラ」という言葉がどの新聞テレビでも使われていたが、「セクハラ」という言葉の意味はものすごく広い。広辞苑では、セクシャルハラスメントは、「職場などで女性を不快・苦痛な状態に追い込み、人間の尊厳を奪う、性的な言葉や行為」とあるが、今は、「逆セクハラ」という言葉もあり、「人間的尊厳を傷つけられる」のは、女性ばかりではない。 セクハラには、 視覚型、(人前で、性的な記事の出ているスポーツ新聞を広げる、相手の体を、なめまわすように見る) 発言型、(性的な発言や質問をする・うわさを流す肉体関係を迫る発言も含まれる) 身体接触型、(相手の背後を通りすぎるたびに、身体の一部をさわる)等と、セクハラは、子どもが出来たかどうかを尋ねたり、親しくないのに髪型を変えたかどうかを聞くことから、レイプまで含まれる。 まさか筆坂氏が「子どもができたかどうか、髪型を変えたかどうか」と聞いて、議員辞職したとは思えない。いや、例え相手の女性に失礼なことをして謝罪することはあっても、国会議員をやめなくてもいいのではないか。議員辞職までするのは、何をしたのだろうか、と「セクハラ」という言葉を軽く使うと、憶測が憶測を呼んでしまう。 ただ、こうした私の疑問はあったにせよ、今回共産党がこの問題で厳しい処分をしたことで、男性優位の社会に、「セクハラ」をしたら大変ことになるという「恐怖」を世の男性たちに与えたのではないか、もしそうだとしたら、私たち女性は、共産党の対応に拍手を送りたいナ! 24日の新聞各紙は、有名人のコメントを掲載していたが、的はずれなコメントも多かった。評論家佐高信氏の24日の朝日新聞の夕刊のコメントには同感! 「セクハラ問題を起こしてきた人たちの多くには肉食獣のにおいがしたが、彼にはむしろ草食獣のイメージがあったので、意外だ。政府・自民党を追及する立場の共産党には、特に身を律する厳しさが求められ、許されるべきことではない。しかし、同じ女性問題でさまざまな疑惑がささやかれている与党幹部はどうか。いまだに要職にとどまり、非を認めようとはしていない。ダーティなタカが咎めをうけず、セクハラなハトだけ転落するのは腑に落ちない」 横井久美子 2003年6月27日 |
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