Kumiko Report 8/11/2003
台風一過

9日、台風10号本土上陸とあわせて岐阜県垂井町のコンサートがあり、私はすいぶんヤキモキ。
台風のため中止になったらどうしようとか、新幹線が動かなかったらとか。でも、なにはともあれ、本人がいなくては始まらないので、早めに家を出て幸いにも予定より早く会場に到着。

岐阜県垂井町は人口3万人の町で、大垣市の隣。8月9日長崎原爆投下の日、みんなで平和への想いを一つにしようと、はじめてコンサートが企画された。会場には、岐阜市や大垣市の輝き隊の顔もあり、嬉しかった。彼女たちは、来年5月8日岐阜市民センターで、全国ツアーのトップをきるので、宣伝も兼ねてきてくれた。ありがとう!
主催者の挨拶のなかで、この街には、日中戦争当時、「戦争は罪悪だ」といって刑務所に入れられたお寺の住職さんがいたという話が紹介された。こういう勇気ある人が身近にいたことを知ることで、私たちはもっと勇気がもてるようになるかもしれない。時代はますます人々に平和に生きる権利を主張することをためらわせる方向に向かっているから。

休憩なしで2時間近く歌ったのに、また、4曲もカットしてしまった。反省。

2次会もいろんなジャンルの人が集まって楽しかった。春秋楽座は、異業種、異年齢で人々が交じり合うことを意図しているがそんな雰囲気だ。

居酒屋の回りにお客がいるのも気にせず、愛するふるさと新潟の「佐渡おけさ」を歌う人。中学を卒業し、集団就職で「近江絹糸」で働いた人。夫が亡くなりここ数年うつ状態で久しぶりに出てきた人。保護者から評判の高い生活指導の先生。この先生からは、ライブで「少年」を聞きたかったと言われてびっくり。戦争中、学校の音楽の時間に和音を教えられ、この音が聞こえたらB29だから防空壕へと言われたと話す人。
そういう話をもっと聞きたいという若い人、などなど。話がつきなかった。

私たちは、どうしたら平和な世の中になるだろうかと考える。どうしたら、どうしたら、、、と。もちろんまず、「私の怒り」がなくては平和をつくれない。一人の「NO!」からすべてがはじまる。そして、その怒りを「私の言葉」で表現し、語りあい、「私とあなた」が繋がってゆく。とてもまどろっこしいようでもその道しかないなと思う。そんなことを考えさせてくれた垂井の人たち、そしてコンサートだった。


横井久美子
2003年8月11日

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