Kumiko Report 8/23/2003
帰国しました

昨日、アイルランドから帰国しました。日本は冷夏と聞いていたのに、飛行機から降りてムッと熱気に包まれてびっくりしました。暑いですね。

 聖メアリー大聖堂ステンドグラス
5回目のアイルランドツアー&コンサートは、いくつかハプニングもありましたが、笑って笑っていい旅でした。
ハプニングの一つは、聖メアリー大聖堂でのコンサート。
6時半に開けて欲しいと、共演者のサンドラとナイルに声をかけていたのに、時間になっても扉は開かず、三人で扉をドンドンたたいて開けて貰って、、、。出演者が外で扉をたたいているなんて日本では考えられない。どうも管理人が酔っ払っていたようで、こうしたことがまかり通るのがアイルランドかなぁー。でも、時間どおりコンサートが出来ました。サンドラには、Tシャツとハンカチをプレゼントしました。来年日本にきてくれることを確約!楽しみです。

 サンドラとナイルの演奏

 Tシャツをサンドラに贈る

 アラン島 オードエーニャ B&B
今回もアラン島の宿泊は「ただの私に戻る旅」に出てくる絶景の場所にある「オードエーニャ」。

 5人のアラン島での女性
海を背にしてオードエーニャの前でポーズをとっているのは、アランセーターなどその日買ったばかりの値札をつけての記念写真。

 YOU ARE NOW ENTERING FREE DERRY
北アイルランドでは、昨年に続いてBBCラジオの生放送にトツゼン出演。
今回は時間が長く3曲も。インタビューの中で、私は、「私の愛した街」は、1972年の「血の日曜日」事件の歌だけれど、今起きているイラク戦争と情景が重なり、この歌は古くて新しい歌です」と言いました。昨年同様、スタジオは狭いので皆さんは外のバスで聞いていたのですが、アナウンサーが最後に「バスの中で聞いている皆さんもどうも有難う」と言ってくれて感激。


夜は、ホテルで、「Taste of Ireland」というアメリカなどでも公演しているバンドを中心に、歌あり、アイリッシュダンスあり、飲み物ありのアイルランドらしいパーティにゲスト出演。「私の愛した街」と「ゲンゲンバラバラ」2曲演奏した後、ナント参加者全員で「ふるさと」をステージで披露。


 The town I loved so well

 全員で合唱

 デリーでバウロンの演奏
ステージの前に椅子があるのは空席ではなく、歌手やダンサーの席で、その前に板張りのダンスフロアーが、それを囲んで人々が座るのです。バスの中や前日1時間も特訓したせいか、とても奇麗なハーモニーで大喝采。3回目のツアーの「アランズ」がアラン島で特訓したのに因んで、この合唱隊は「デリーズ」と命名。

ポーランド・チェコツアーでも、参加者は、クラコウ広場でストリートデビューをし、ポーランドの人々と交流したし、アイルランドでも、こうして歌を通して交流できてとても嬉しい。その上、今回は、このパーティで組になって踊る「セットダンス」があり、アイリッシュに混じって参加者の半数が一緒に踊りました。
40年か50年前の日本の田舎の演芸会のような懐かしさと楽しさが溢れ、アイルランドの人々がまだまだこうしたコミュニケーションの場を持っていることに感心。アイルランドの文化に触れた一夜でした。

 ダンスをする子どもたち


 CIVIL Rights 壁の絵

 記念の碑

 ボグサイトを上から見る

 英国のアンテナ

「私の愛した街」の事件現場は、私が1988年最初にデリーに行った時は、壁画はなく、窓ガラスも割れたままになっていました。
今回、記念碑の周りは柵ができ、奇麗になっていてデリー市が、この現場の保存に力を入れていることが分かります。でも、いまだ英国の監視塔があったり、プロテスタントとカトリックのいざこざが続き、手をつなごうとしていても、つなげないでいる像そのものの状況が北アイルランドには残っているのを実感しました。


 プロテスタントとカトリックの像
最後の打ち上げパーティで、母娘で参加した21歳の大学生が、「この中で私だけが子どもで、皆さんは大人なのに、この旅では皆さん子どものようで、この人たちが日本へ帰ったら大人の顔をして仕事をするのかと思ったら私は可笑しい」と発言し大笑いでした。

一つの旅は、一枚のタピストリー(綴れ織)です。9日間の旅の中で、お互い見知らぬ一人一人が縦糸や横糸になり、一本の縦糸だけでは、一本の横糸だけでは表現できない一枚の織物を作り上げ、創造するのです。一つ一つのタピストリーが、それぞれに違う美しさを持っています。それが旅の醍醐味だと私は思います。私は、そのステキなタピストリーを作り上げで下さる一人一人の皆さんに感謝したいし、その現場に立ち会う幸せを感じています。

横井久美子
2003年8月23日

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