Kumiko Report 9/16/2003
ひとひらの雪

14日、京都の京田辺市で楽座がありました。
組長の谷口清久さんとは初めてて、どんな地域かどんな方があつまるのか心配でした。でも、会場づくりに奥さんと小、中学校の3人のお子さんが一家総出で手伝いに現われて、なんていい家族だろう、とまず感激。集まった方々もも明るくていい顔をして聞いてくださってとても気持ちよく歌えました。

なぜ、この楽座をはじめたか、最初に谷口さんが話されました。
「横井さんの歌は、大学時代に大学祭で聞いたことがあったのですが、最近、子どもの道徳の副読本を読んでいたら『なみちゃん』が出てきてびっくりしたのです。それでまた横井さんの歌を聞き始め、他の方からも通信をもらって、ホームページを見たら、『全国統一ギャラ』の企画があるのを知って、子どもに『生なみちゃん』を聞かせたいと思ってすることにしました。」

東京に帰ったら谷口さんから早速メールが届いていました。
「参加された方があれほど涙を流し、様々な感想を寄せられたことは、予想を越えるものでした。横井さんの歌の深さと広がりに、あらためて思い知らされました。」

私は、歌のなかで「ひとひらの雪」の話をしました。、「どんな大きな枝でも、ひとひらの雪がひとひらづつひとひらづつ積もっていけば、かならず大きな枝も折れる」と話したのです。この話は、私自身どこで聞いたか覚えていないのですが、「イラク戦争をはじめ、私たちの願わない方向にばかり世界が進んいる今、一人の人間の力の弱さ、はかなさ、むなしさを感じるけれど、私たちはひとひらの雪になりましょうね」と話し、それがとてもみなさんの印象に残ったようでした。

ますます、時代が悪くなり、一人一人の想いが実らず、バラバラにされて行く中で、こうした一人一人の想いを丁寧に集めていくことが、元気になる源で、それが「春秋楽座」の仕事だと思います。楽座は、組長さんと私が一緒に作るのですが、今回のような感動を生み出すのは、ひとえに組長さんの人柄の反映です。

会場には、藍の花が飾られ、その藍に染めたスカーフも頂きました。その藍を家に植えようと根だけのほうがいいと思って切ってきたのですが、これもメールを頂ました。

「藍の花の件ですが、あのあとで届けてくれた人にうかがったら、根だけではダメだろうということです。『藍は種で増やすので、あのまま植えて欲しかった』と残念がっておられました。その方は、『もうすぐ種ができるから、届けてあげる。それを来年3月になったらお彼岸までに植えると、秋に花が咲く』とのことです。追って種をお送りします。」

「花が好き、歌が好き、人が好き、平和が好き」そのままの京都南山城30人組でした。

「人が宝」と、私は、最近ますます素敵な方々に囲まれて実感しています。南山城30人組の組長さんもたくさんの宝に囲まれ、その中で私も光らせていただいた秋の楽座でした。

横井久美子
2003年9月16日

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