Kumiko Report 11/10/2003


20日ぶりですね

お元気ですか。コンサートをしながら原稿書きに追われている20日ばかりの間に、世の中いろいろありましたね。こんな風に、戦争をする国にいつのまにかなっていくのかと、昨夜から気分悪いです。

まず、第一に投票率の低さ。4割の人の意見でこの国の行方を決めてしまってはゼッタイいけないと思います。先日、埼玉での補選は、28パーセントの投票率で国会議員が決りました。
第二に、マスコミの世論誘導に唖然。三紙の投票日の一面の見出し。朝日新聞は、「政権選択が焦点」。東京新聞は、「未明に体制判明」。日本経済新聞は、「衆院選きょう投票」で、朝日新聞がいかに民主党に肩入れし、政権選択、二大政党制の旗を振っているか歴然。
第三は、イラクで米軍へのテロが激化し、米軍の飛行機まで打ち落とされ、まだ戦争中というのに、着々と自衛隊派遣が進んで、それなのに、それが、「政権選択」という言葉の影に隠されてしまったことです。メディアの責任は犯罪的です。

私は、「二大政党制神話」を「ゆるゆるふっくり」で書きました。大統領が、ブッシュかゴアかまだ決っていない時、2001年1月、私はワシントンにいました。新聞を見ると、大統領の記念コインの宣伝がのっていて、裏表に第43代大統領としてゴアとブッシュの顔があり、「It's a coin toss」(コインなげ)と見出しがあって、笑ってしまいました。ブッシュの共和党でもゴアの民主党でも、裏が出ても、表が出ても同じといういうことかと。
国民の多様な意見が、無理やり二つの選択の枠のなかにはめ込まれるような社会はオカシイです。オカシイことをオカシイともっと言わなければと思っています。

この間、コンサートもいくつかあり、ブレヒトの「戦争入門」の17フレーズのなかから、次のフレーズを紹介しながら、「戦争入門」を歌いました。

戦争ではおおくのものがふくらむ
ふくらむものは
ブルジョアの財産
プロレタリアの悲惨
指導者の大風呂敷
ひきづられていくものの沈黙

私の原稿もやっと「あとがき」を書き、私の手を離れました。
書き下ろしエッセイと楽譜、写真を網羅した横井久美子の世界「歌って愛して」は、私の35年間の集大成です。どのような姿、形になって私や皆さんの前にお目見えするでしょう。1月18日の発売日は、私も楽しみです。


10月31日 春秋楽座 越後くれない30人組
「戦争入門」「あくび」の作曲者、新潟が誇るシンガーソングライター横山作栄さんがゲストでした。
 

11月6日 津田塾大学公開講座「私の出会いの瞬間」
1時間半を歌は、3曲ほどでほとんど講演で通しました。300名近い大学生を相手に歌がなくても講演だけでなんとか終わることができ、新しい分野が開拓できたようで嬉しかったです。


11月8日 レイバーフェスタ
午後から夜まで、フィルムあり、歌ありシンポジュウムありと、労働者の文化祭典でした。オープニングに若者がバンドとボーカルで「インターナショナル」を歌ったのには、びっくりしながら感動しました。


横井久美子
2003年11月10日

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