Kumiko Report 12/12/2003
自衛隊のイラク派兵に反対します

5日から8日まで、名古屋、福山、和歌山と地方にでかけ、そのレポートをと思いながら、イラク派兵のニュースに、心が重い。
9日、夕方の臨時閣議後の小泉首相の記者会見をテレビでみて、怒りと情けなさがこみ上げてきた。私たち国民は、この程度の人を国の最高指導者として選んでいたのです。この人には、「世界平和」なんていうことは、毛頭わからない。憲法前文の都合のいいところだけをひろい読みして、「国家の名誉」「日本国の理念」「国家の意思」を、強調する。これらは学生が、つごうのいい言葉を、権威ある文献から抜書きしてつじつまをあわせるレポートのような低次元の作業。そうしたことを私たちの国の首相は、ヌケヌケとしてしまう恥知らずの人なのです。小泉さんを評価していたわけでもないのですが、もうガックリ。

週刊誌の見出しで、田中真紀子さんが小泉首相に「そんなにイラクに行きたかったら、売れない息子を連れて一緒に行けば」と書いてあって、一人笑いながらも、「連れて行けばいいものでもないでしょ」と、この田中発言も低次元と思っていた。しかし、小泉首相はそういう低次元な言葉を投げつけられてもいいような人でしたね。与党の閣僚が、脂ぎった顔でふんぞり返っている姿を見ると、私も「そんなに派遣したければ、あんたたち、まず家族を連れてイラクへ行けば」と、言ってしまいたくなります。

11月30日、福岡から新潟にむかう飛行機の中で、新聞を読みました。元防衛庁局長で現新潟県加茂市の小池市長の言葉で、それをコンサートでも紹介。「自衛隊員は祖国防衛のつもりで入隊し、募集する側もそういって勧誘してきた。イラク派遣は、隊員の使命ではないし、契約違反だ。平和憲法は、日本の宝。憲法を守り、海外に派兵しないことは、先の大戦で亡くなった英霊たちが一番望んでいることだ」

私も「ゆるゆるふっくり」で、書きました。「私たちの国は、この半世紀、世界のどの国の、どの女性の夫や息子や子供の命を、だれ一人として戦場で奪ったことがない。戦後五十年、世界に誇るべき平和憲法を守ってきたからだ」

なんとか自衛隊がイラクに行くのをくいとめたい!もし、派兵され、イラクに足を踏み入れたら、日本は引き返せない泥沼にはまり込んでしまいます。
来年1月18日発売のソング&エッセイ「歌って愛して」に、ブレヒトにちなんで次のような文章を書きました。

「戦争ではおおくのものがふくらむ
ふくらむものはブルジョワの財産
プロレタリアの悲惨
指導者のおおぶろしき
ひきずられていく者の沈黙」

私たちは、「ひきずられていく者の沈黙」であってはいけない。イラクに足を入れていない今なら引き返せる。世論の声を大きくしていきましょう。

横井久美子
2003年12月12日

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