Kumiko Report 2/27/2004
山の動く日きたる

昨日、航空労組、新聞労連、日本医労連の女性委員長の呼びかけで「自衛隊のイラク派兵の中止を求める女たちの集ーPart 2」が、行われ参加しました。衆議院議員会館の会議室は女性たちで一杯で、スチュワーデスの制服や白衣の若い女性が司会する中、イラクのビデオやイラク現地の劣化ウラン弾などの報告がされ、党派をこえた6人の女性国会議員から、国会内での動きの報告があったあと、各地でイラク派兵反対の動きをしている各女性団体の発言がありました。旭川に行って聞いた自衛隊の家族の悲痛な声も紹介されました。私も、表現者たちが「いま、語り描き写しうたい舞うとき」としてリレートークをする3月14日の宣伝をしました。

今回は、航空機、医療、新聞で働く女性たちが呼びかけた集会でしたが、私たちの「声をあげよう女の会」なども含め、イラク派兵に反対するいろんな女性の会が生まれて動き出していることを実感しました。また、既存の女性団体も、今こそ、9条を守り、何としても他国で血を流すことを止めさせようとようと、各団体も手をつなぎ始めているのを感じました。
新聞やテレビだけを見ていると、自衛隊はすでにイラクに行ってしまって、派兵反対の声がつぶされたようにみえますが、ところがどっこい、自衛隊を連れ戻す戦いはこれからだという雰囲気で一杯でした。

ふと、先日テレビで見た与謝野晶子が1911年、「青鞜」発刊のときに書いた文章を、思い出しました。

「山の動く日来(きた)る。/かく云へども人われを信ぜじ。/山は姑(しばら)く眠りしのみ。/その昔に於て/山は皆火に燃えて動きしものを。/されど、そは信ぜずともよし。/人よ、ああ、唯これを信ぜよ。/すべて眠りし女(おなご)今ぞ目覚めて動くなる。
一人称にてのみ物書かばや。/われは女ぞ。/一人称にてのみ物書かばや。/われは。われは。」

日露戦争後、日本が軍国主義に向かって突き進んでいった時代、女性が参政権もない無権利な時代、晶子は「山の動く日来る」と書き、自らを覚醒させ、また、ものいえぬ眠らされたままの女性たちを覚醒させ、新しい時代の到来を予告しました。

現代に生きる女性たちは、晶子の時代から苦しみながらたくさんの権利を、たたかって、たたかって、獲得してきました。こうした血と汗と涙で勝ち取った人間としての権利を今、使わずしていつ使うのか。私は、参加者それぞれの熱い想いが「イラク派兵反対」で一つになりつつあるのを感じました。山は動くかな?と、女性たちの胎動を感じたのです。

私の発言の最後は、「今回の集会がPart2であるように、継続は力。私たち女性は、しぶとく、したたかに、美しく、そして楽しく(?)イラク派兵反対を叫び続けましょう」でした。

横井久美子
2004年2月27日

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