Kumiko Report 3/4/2004 |
ベアテさんからのメッセージ 5月からはじまる35周年記念コンサートでは、全国共通プログラムを作ろうと思っています。現在、より舞台を充実させるためにみなさんに協賛金のお願いをしていて、その方たちのお名前を掲載するとともに数名の方々にメッセージをお願いしています。 昨日、早速、ベアテ・シロタ・ゴードンさんからメッセージが届きました。ベアテさんは、22歳の若さで、憲法草案に男女平等の条文を明記したことで知られている方です。私は、ニューヨークで始めてお会いしましたが、私が心から敬愛している方です。 「親愛なる久美子さん あなたが素晴らしい記念コンサートをおこなうと聞いてうれしい。なんとすてきなことでしょう! 私からのメッセージは次の通りです。 横井久美子さんは、35年間、彼女の広範なレパートリーをとおして、平和を歌ってきました。 アメリカには、日本女性トシ子さんと結婚している有名なピート・シーガーというフォークシンガーがいます。私が若い頃、彼は、平和の歌を歌っていました。彼は、もう高齢ですが、いまでも同じように歌い続けています。そこで、私は、久美子さんもピート・シーガーのように、ずうーっと歌い続けることを望んでいます。 アーティストは、自らの芸術を立派に表現するだけでなく、社会的良心を果たす義務もあると思います。久美子さんは、それを果たしています。だからこそ、みなさんが彼女のコンサートを心ゆくまで楽しまれよう望みます。 私たちは今、たいへん危険な時代に生きています。私たちのような高齢者は、子どもたちや孫たちのことが心配です。平和なくして彼らはどうして生きていけるでしょうか。ですから、日本の女性たちは、日本国憲法第9条に崇高にうたわれている平和を守るためにたたかわなければなりません。そして、世界中の国々がこの9条をモデルにしていかねばなりません。そうなれば、私たちは、平和の中で、もっともっとたくさんの美しい歌声を聞くことができるでしょう。 ベアテ・シロタ ・ゴードン」 このメッセージを メールで読んだ時、英語が堪能でもないのに、涙がこぼれそうなほど感動しました。その理由は3つあります。その1つは、依頼した翌日にご返事を頂いたこと。80歳を超えられたのに、処理すべき仕事をこなす能力の凄さ。2つ目は、メッセージにもあるようにいつも世界を見渡す高邁な思想。3つ目は、一人の音楽家にこうした暖かい目を注がれること。 私は、この素早いご返事と内容を見て、だからベアテさんは、憲法草案に男女平等を明記できた人だったのだと、60年近く前の出来事なのに、不思議にも憲法が身近になったような気がしました。 私にとっては、フォークソングの父といわれるピート・シーガーの名前まで出して励ましていただいて、とても光栄で、昨日は一日中、心がぽかぽかしていました。 1ヶ月前、庭にほったらかしていた蘭の花が数年ぶりに蕾をつけていているのにびっくり。部屋に入れて世話をしていたら、こんなに見事に咲きました。ベアテさんのメッセージといい、7本の蘭の開花といい、今年はいいことありそうな予感! 横井久美子 2004年3月4日 |
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