Kumiko Report 4/17/2004
3人を誇りに思う

15日、解放された3人のうちの一人高遠さんが、解放直後のインタビューで「今後も活動を続ける」「いろいろあったけれどどうしてもイラク人を嫌いになれない」と語った時、こうした極限状態でもこうした発言のできる高遠さんの志の高さに私は、感動してポロリと涙がこぼれました。

しかし、政府は、3人が拘束中から「自己責任」という言葉を使い出し、今では「救出費用を負担させろ」「損害賠償を求めろ」とか言いはじめ、その論調が一般的に広がっているようです。

でも、私は、高遠さんが、また、郡山さんが「仕事を続ける」と言ったことこそ、「自己責任」を果たしていると思います。だって、充分危険を承知で出かけて、でも、やっぱりひどい目にあったから辞める、というほうがよっぽど「自己責任」を放棄しているのです。「自己責任」とは、世間や社会一般にたいする責任ではなく、まず自分自身に対する責任なのです。

政府が派遣した自衛隊のおかげでこうした事件が起こっているのですから、「救出費用」は当然、政府が負担すべきす。こうした費用を税金だといっていますが、政府は、自国民を保護する責任があり、私たちの税金は、こういうときこそ使って欲しいですよ。

小泉さんは、高遠さんたちの言動に「不快感」といっていますが、なんと狭量な血も涙も志もない政治家でしょう。小泉さんの「大好きなアメリカ」のパウエル国務長官ですら15日、TBSのインタビューに答えて次のように言っています。「危険地帯に行くリスクを取ったのだから、拉致が彼らの責任とは言えない。より良い目的のために危険を顧みない彼らのような市民や自衛隊が居ることを、日本人は誇りに思うべきだ」。また、17日の夕刊朝日の記事で、仏のルモンド紙が「日本人道主義の勢い」と題し、「事件は外国まで人助けに行こうという世代が日本に育ってきていることを世界に示した」「ネクタイ・スーツ姿と夜遊びギャルの間に、激変する社会に積極的にかかわろうとする者がいることが分かった。彼らは自分なりに世界を変えたいと考えている」と3人を擁護しています。

政府のこうした論調のせいか、心無い嫌がらせが家族にたくさん寄せられ、家族は、「ご迷惑をかけて」と頭を下げてばかり。外国人記者クラブでも謝罪が目立って、外国人記者が「とても自由な国日本での発言とは思えない」と言っていました。そうなのです。家族の方が、「世界中の方々に感謝したい」と言ったことを捉え、政府から「まず、世界中の人々に感謝する前に政府に感謝しろ」と言う言葉が出てきて、びっくりです。

政府は、国民の命を保護し、守ることが、シゴト、シゴト、シゴトなんですよ。そのために私達の税金から歳費などもらっているでしょ。だから公僕である政府が動くのは当たり前じゃない。国会前に詰め掛けた人たち、署名を集めた人たち、イラクにメールや手紙を送った人たち、イラクでマスコミに働きかけた人たち、みんな心あるボランティアです。そういう人たちの力が事態を変えたのです。

何事も、身内へのお礼が最後になるように、政府へのお礼は最後で当然です。危険なのは、日の丸、君が代に反対した先生たちを処分したように、国の面子が優先とばかり、国の枠組みに国民を押し込めようとする雰囲気が着々と進んでいることです。

ともあれ、私達は、身の危険を顧みず、世界を変えるために行動した3人をまず誇りに思いましょう。

明日は100曲コンサートの2日目で、、「大地をゆるがし、歴史を塗りかえた世界の叫び」の準備を、部屋にこもってしているのですが、新聞読めば読むほど、彼らが不当に扱われているので書きました。
さてーと、明日の準備続けなくちゃ、、。

横井久美子
2004年4月17日

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