Kumiko Report 8/28/2004 |
8月も終わってしまう アテネ五輪で明け暮れているうちに8月も終わってしまう。しかし、はるかギリシャからのメダルラッシュで日本中がアテネの明るい空を見て興奮しているなかで、私たちの住んでいる国の空では「米軍へり墜落」というとんでもないことが起こった。 アテネ五輪がなかったら、この事件は、連日、ニュースのトップで論じられるはず。 アメリカ軍は、現場検証もさせず、原因も究明せず、事故機と同型へりの飛行を再開した。そして、「墜落」ではなく、「緊急着陸」と表現した。えっ、アメリカは、私たちの住む町のどこでも「緊急着陸」していいの?大学の校庭の木が「炭化」していたという。「炭化」というと私はヒロシマの原爆を思い出す。それほどのすさまじい「墜落」だったのに。日本は、完全にアメリカになめられている。そりゃそうでしょ。首相は夏休みといって、国の一大事より、映画や歌舞伎を優先しているのだから。 しかし、小泉首相が「あの国を想って」動かないだけで、過去にはそれなりに、断固としていた。1968年に九州大学の構内に米戦闘機が墜落したときも、77年に横浜市の住宅地に墜落した時も、今回に比べれば、合同で現場検証をしたり、夜間訓練をやめさせたり、政府は強い態度で臨んだのだ。まったくなんというノーテンキな首相なのだろう。 アテネ五輪でメダルを取り、国威高揚と浮かれている間に、足元では、まるでアメリカの植民地のような横暴がまかり通っている。 しかし、アテネ五輪で、マスメディアは、メダルをとった選手の感動ドラマを流しているけれど、選手達が競技をしている一歩外は、どんな状況なのだろうかろ思う。 新聞によれば、五輪開会の2週間前、アテネ郊外の軍用空港で、6基のパトリオット迎撃ミサイルが公開された。不審な航空機がアテネ上空に飛来したらすぐ撃墜するためだという。警備予算は、10億円ユーロ(約1360億円)で、シドニー五輪の4倍以上。 「平和と友情の五輪精神」というが、「史上最大の警備に守られ、戦火と敵意が大会を囲んでいる」姿を、マクロで見ると「五輪って何なんだ!」と思ってしまう。 加えて、日本をはじめ経済大国のスポンサーが、選手につぎ込む莫大なお金の問題もある。途上国の選手は、奇跡でも起こらない限り、五輪でメダルなど取れないのではないか。 「五輪とは何だ!」 なんだか腹立たしくなっていたこの頃だけれど、昨日は嬉しかった。「諫早湾干拓差し止め」の判決が、佐賀地裁で出た。実は、私は、この訴訟の原告にもなっているので、これは、私が勝った!のです。 明日から、名古屋へでかけ、自宅に帰るのは、9月に入ってからです。 横井久美子 2004年8月28日 |
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