Kumiko Report 10/9/2004
圧巻!踊る先生たち

昨日、千葉県流山市にある東葛看護専門学校の「第10回東葛祭」で歌いました。
会場は、専門学校の体育館。マイクのすぐ前には、学生が座り込み、その後ろには、近隣からの「大人」のお客様たち。

最初、このコンサートを依頼された時、3つの申し入れがありました。
「『私の愛した街』を必ず歌ってほしい」「『わが大地の歌』を学生に教えてほしい」「横井さんの歌う『青春』をバックに先生たちが踊りたい」

私は、久しぶりに若い聴衆なので、記念コンサートの安田、劉、杉田の記念バンドで臨みました。歌い始めると最初から結構、反応が良くて私も好調。4曲目で「私に人生と言えるものがあるなら」を、校長の三上満先生にマイクをむけ歌っていただくと、学生から歓声が。「わが大地のうた」を丁寧に覚えてもらったあと、いよいよ先生達の登場。12,3人の先生が、「青春」をバックに踊るんですよ。もう会場いっぱい爆笑、爆笑でした。

1時間半の予定でしたが、結局、休憩なしで2時間近く歌いました。客席には、輝き隊のメンバーもチラホラ見え、「久美子さん、若者相手で張り切っていましたね」と褒め(?)られました。

帰りがけ、輝き隊の一人がつぶやきました。「ここの学校の生徒は幸せねぇー」。

東葛看護専門学校」は、「憲法と教育基本法をあらゆる教育活動の土台に捉える」ことを宣言して、10年前創立されました。一応、日本の学校は、憲法や教育基本法を「建前」としていますが、それが、現場で実践されているかはまた別問題。特に、最近は、その「建前」すらも、崩壊しているのです。
東葛看護専門学校の「教育宣言」のなかの文章に、「しめつけや抑圧で育つ人間性はない」「教職員も学生もうちとけ合い、ともに苦楽を分かち合い成長していける居心地のいい学校」とありました。

この学校では、授業の一環として「田植え」もしているそうです。「看護学校にきたのに田植えなんてと思っていたけど、田植えも看護も生きていくために必要」と学生は実感し、また、今年の研修旅行には、昨年に引き続き、ベトナムの「平和村」に行き、地球市民として「世界ぜんたいの幸福」を考える体験もしています。打ち合わせの時、伺った校長室も開放的でこの学校は生徒に「居心地」がいい学校なのだろうとは思っていました。

でも、決定打は、「踊る先生たち」でした。

私は、「目上」の人間が、「目下」の人たちの前でバカができる組織、団体こそ、「しめつけや抑圧」から一番遠く、自由で対等平等な人間関係を生み出すと思ってきました。その「模範」をこの目で見たのです。もちろん、様々な問題を抱えている現代の若者を相手に、先生方も日々大変な苦労があるでしょう。でも、先生方のあの踊る姿から、私は「確かな知識、・技術を身につけ、愛にみちた心豊かな看護師を育てる」「どんな場合でも、学生を深く信頼し、暖かい励ましを送り続ける」この学校の熱い精神が伝わってきたのです。

「ここの学校の生徒は幸せ」。そして、そんな学校で歌わせていただいた私も幸せな一日でした。

横井久美子
2004年10月9日

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