Kumiko Report 12/6/2004
私の「自慢」

全国ツアーが終わった翌日からワシントンの娘がしばらく我が家に泊っていて、その娘が帰国してやっと普段の生活になり、ボーっとしながら残務整理をしています。
コンサートにいらした方から、メールやお手紙の感想や果物などお送り頂いています。コンサートにお出でにならなかった方も、「ご苦労様」と、贈り物を頂いて恐縮しています。

さて、そんな中で、沖縄から東京のコンサートにいらした方から、次のようなお手紙をいただきました。「衣装がすごくすてきでした。それって。自分で選んだり買ったりするのか、プロの人がいてアドバイスしたり、準備してくれたりするんですか」

よく聞いていただきました!実は、1部で着た赤い服は、私が自分で染めたのです。私は、デザイナーでは、イッセイミヤケやY's のヨウジヤマモトが好きで今回は、かなり思い切ってY's (ワイズ)の服をそろえ、地方コンサートで着ていました。ただ、愛知、東京コンサートでは、赤い服か着たくなり探したのですが、気に入ったドレスがなくて、思い切って買ったばかりのワイズの白のドレス自分で染めたのです。といっても、布を染めるのは初体験で、ためし染めをしたり、何時間も染め桶から離れずかき回したり、大変でした。
でも、苦労のかいあって色むらもなく、イメージしていたような色にバッチリでき上がって「ヤッタネ!」、もう自慢したくてたまりません。赤いネックレスもイヤリングもその服に合わせて自分で作りました。

 久美子ジュアリ


私は、ステージ衣装は「仕事着」だと思っています。ギターを肩にかけるし、手を上げるし、腰掛けるし、そうした動作がヒラヒラした襟や袖や裾に邪魔されたくなくて、シンプルで動きやすい服を選びます。また、衣装はある歌の世界を表現する「小道具」でもあります。でも私の場合は、10(曲)あるいは20(曲)の歌の世界を一つの服で表現します。「赤い椿と青いげんぼし」や「人生のはじまり」や「戦車は動けない」などを1着で通すにはどんな衣装がいいか考えます。そうした上で、集まってくださる方々の雰囲気や自分の気分で最終的に決めます。翌日のコンサートのことを考える時、衣装が決まるとすべてGO!で、気持ちがシャンとします。

今回の地方コンサートの衣装も、愛知、東京コンサートの衣装も、それぞれ数ヶ月づつ、ズッと考えていたように思います。因みに2部の黒のドレスも、なかなか気に入った服が見つからず、20年ほど前に作った服を引っ張り出して、自分でいろいろアレンジしたものです。

お客様を楽しまるための衣装の重要性もよく指摘されますが、私は、やっぱりまず「私らしい服」しか着ていませんね。
という訳で、今私は「染め」にはまっているのです。

横井久美子
2004年12月6日

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