Kumiko Report 3/28/2005
声をあげよう女の会

今朝、満員電車に乗ると、何人もの鼻をすする音がメロディのように聞こえる。やっと医者に行って、やや強い薬を飲みはじめ、ずいぶん良くなった私は余裕。皆さん心配してくださってありがとうございます。今のところ花粉症で死んだ例はなさそうなので、大丈夫です。それにしても、花粉症の人の多いこと。あるコラムである作家が、東京は、高層ビルが壁になって花粉が海に飛散しないので、花粉症が多い。無計画に都市計画をした国を訴えたい、と怒って書いていた。

杉の花粉の飛散は、戦争中、早く成長する杉の植林をあおり、戦後、そのままにし、ここにきて更に、海外の木材を輸入した方が、国内の材木より安いと、規制緩和をあおり、杉の手入れ(間伐)を怠ってきたせいと、排気ガスなどの大気による複合汚染デス。花粉は、地面が土の場合は地面が吸収するけれど、都会はコンクリートで吸収されず舞い上がる。先日、花粉症の友人が、杉で有名な京都の北山杉の近くに行ったけれど、なんともなかったそうだ。それでも、今は、間伐をする職人も、ほとんど居なくなっているという。

今朝の朝日新聞の「天声人語」で、日本人がマスクを着用し、歩道を歩く姿を、米紙は「手術室に向かう外科医の集団」と称し、豪紙は、「政府に抗議する有権者の一斉抗議」と報じたという。「大げさな書きぶりだが、よほど珍しいのだろう」と「天声人語」は書いているが、ちっとも大げさじゃない。本当に、「有権者の一斉抗議」なのではないかしら。



さて、一昨日、26日、「第3回声をあげよう女の会〜表現者はリレーする」が盛況に終わりました。また、また、こんな人数ではモッタイナーイ!という素晴らしいプログラムでした。
出演は
古居みずえさん(ジャーナリスト)スクリーンに取材されたイラクの映像を。
矢口周美さん(歌手)自らオートハープの伴奏で「死んだ男の残したものを」
渡辺一枝さん(作家)この会の代表で、会の趣旨と手作りのステキな反戦バックを披露。
この後、次の3人で第九条を守るというのではなく、攻めの運動を展開しようと頼もしい発言!
猿田佐世さん(弁護士・憲法行脚の会)
近藤日佐子さん(ソプラノ歌手・九条連)
和田隆子さん(第九条の会・オーバー東京)
小野絵里さん(画家)いかに暴力を憎みその思いを絵に託してきたか、たんたんとステキなお話
小林カツ代さん(料理研究家)これから大阪に出かけるの、といわれながら、「私は簡単なのよ、今までの憲法でなんの不都合も、不利益もなかったから今のままでいいの!」と、漫才を聞いているみたいに楽しいお話。会場は爆笑、爆笑。私も手をたたいて爽快に笑っていた。
吉岡しげ美さん(シンガーソングライター)小林さんの紹介で登場。2日後にリサイタルを控え、与謝野晶子の「君、死にたもうことなかれ」をピアノで。
福永彩さん(ダンス)多分、参加者の中で最年少。真っ白な衣装で舞台が急に明るくなったよう。踊ったあとは、社会を見つめるステキなメッセージも。
木村民世さん(染色工芸家)友禅のお召し物で、作品の説明を。友禅で染められた「嘆きのファルージャ」は、すごい作品でビックリ!
山本洋子さん(映画監督)「軍隊をすてた国」コスタリカでの撮影にまつわる話を軽やかな口調で。

そして、最後は、私が「あくび」と「花が好き」を歌い、全員で、1923年、軍国主義思想に向かう冬を迎える時代に、それでも、民衆の胎動を「どこかで春が」と歌った百田宗治の話をして、みんなで「どこかで春が」を歌って終了。


今回、私が一番良かったと思ったのは、憲法9条を守ろうと、いろんな団体があるなかで、「憲法行脚の会」「九条連」「第九条の会・オーバー東京」の3人が同じステージに立ってトークをしてくださったことです。多分こうした企画は、他のどんな団体もしていないのではないでしょうか。私達「声をあげよう女の会」は、組織を超えて、いろんな声をつなぎたいと思っていますが、今回は、それを象徴するような企画でした。でもその企画が成功したのは、ひとえに 猿田さん、近藤さん、和田さん、それぞれがお持ちの人間的な魅力「人間力」だと思いました。

また、大江健三郎さんはじめ9人の知識人の呼びかけによる「9条の会」は、連日たくさんの人を集めて集会が成功していますが、その「9条の会」からは、第2回目に澤地久枝さんに来ていただきましたので、今回は遠慮したのですが、その澤地さんからも、「本当は伺うつもりでいたのに、予定が入ってごめんなさいね」という連絡を事務局にいただきました。澤地さんも「声をあげよう女の会」の呼びかけ人の一人になっていただいています。

さて、次回第四回目は、9月10日の予定です。「もったいなーい!」の声が出ないように、会場を溢れさせようと思っています。皆さんも応援して下さい。

横井久美子
2005年3月28日

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