Kumiko Report 7/6/2005
「2005年ノーベル平和賞を1000名の女性に」

6月29日、スイスの女性団体「2005年ノーベル平和賞を1000人に贈るための委員会」から通知があり、「1000人」の女性の一人にノミネイトされました。一昨年、この企画をりんたさんがみつけ、推薦したいといわれました。

「ノーベル平和賞」には、ブッシュアメリカ大統領も名前があがっていたりするので、平和のための活動をしてる草の根の有名無名の女性1000人にノーベル平和賞を、という企画は面白い運動だと思いました。「憲法9条にノーベル平和賞を」という運動もあるし、、、。でも、 一生懸命ややこしい推薦文を書いてくださって推薦してくださった方には申しわけないのですが、まさかノミネイトされるとは!

日本では、取り組みが弱かったのか、他国に比べ新聞にも発表されないと思っていたら、<ジュネーブ発共同>で「西日本新聞」(6月30日夕刊)のベタ記事として載ったようで、九州の弁護士の先生からお手紙と一緒に記事を送っていただきました。記事は短く分かりやすく、私のところにとどいた正式文書は英訳で長いので最後に書きましたのでご覧下さい。

「ノーベル平和賞 女性999人を推薦」スイスの女性団体(ジュネーブ30日共同)「スイスの女性団体が29日、今年のノーベル平和賞候補として世界153カ国・地域の女性活動家999人を選出した。日本からは非政府組織(NGO)『難民を助ける会』の相馬雪香会長、在日韓国人で従軍慰安婦の損害賠償などを日本政府に求めた宋神道さんら6人が選ばれている。
女性活動家たちを選出したのはベルンに本拠を置く『2005年ノーベル平和賞を女性1000人に贈るための委員会』。推薦状にはスイスのカルミレイ外相(女性)が署名し、同日までにオスロのノーベル賞委員会に正式に提出された。
同委員会は3年越しで女性1000人をノーベル平和賞に推薦しようと計画。人口や紛争の有無などを基準に、平和活動に携わる女性たちを選び出した。」
日本から選ばれた6人
○相馬雪香さん 日本の非政府組織(NGO)の草分け的存在である「難民を助ける会」の会長
○高里鈴与さん 沖縄の「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」共同代表。昨年の那覇市長選挙に出馬したが、落選
○野村かつ子さん 日本の消費者運動の先駆者で生活協同組合の発展などに尽力
○横井久美子さん ベトナム反戦運動や薬害患者の支援などで知られる社会派歌手
○安藤由紀さん 絵本作家。子どもの虐待を防ぐ組織「グループCAP」のコーディネーターも務める
○宋神道さん 在日韓国人。従軍慰安婦問題で日本政府に謝罪と損害賠償を求める訴訟を起こした

記事を送ってくださった弁護士は筑豊じん肺訴訟でご一緒した70代の先生です。
「スイスの女性団体が、ノーベル平和賞に日本から6名の女性を推薦しその中に貴女の名前が見つけ、本当に嬉しく思いました。世界の女性活動家999人の中に入ったことに自信と誇りを持って良いと思いました。そしてそれは、貴女と共に戦った私たちの誇りでもあります。本当におめでとうございます。何はともあれお祝いの手紙と思いました。」

こういう「共に戦った私たちの誇りでもあります」と、じん肺訴訟のために原告の方々に尽くされた70代の先生に言われると先生のお気持ちが嬉しくてグッときてしまいます。
ただ、この賞は、あとで読んでいただけると分かりますが、あくまで個人の能力云々ではなく、1000人(一人は匿名とのことで999人)というカタマリでの平和賞という意味です。
こうした賞は、今後も世界平和のために働きなさいということです。

いづれにしてもこうした企画を見つけ、まず国内で横井久美子を推薦してくださった方々に心からお礼申し上げます。ありがとうございました。
私は、明日から1週間ワシントンです。その間にCD「にんげんをかえせ」がたくさん広がっていることを願っています。

2005年ノーベル平和賞のための1000人の女性プロジェクトへの推薦
ベルン 2005年5月

親愛なる横井久美子さん

2005年ノーベル平和賞のための1000人の女性プロジェクトは、野心的な目標をたてました。感動的で価値ある活動をしているのに、しばしば世の中には見えない世界中の何千人もの女性たちの平和の活動を見出して、世の中の人々に見えるようにし、称揚するために、私たちの協会と国際的な調整者のチームは、全世界に推薦を呼びかけました。私たちは、150以上の国々から、2000人の女性たちについての推薦を受けとりました。それは、私たちにとって、信じられないほどの大成功でしたが、同時に、一つのジレンマも生まれました。私たちは、1000人という数字を超えないようにすると決定していました。私たちは、ノーベル平和賞に値する世界中のすべての女性平和活動家を網羅することはしません。それはとうてい不可能なことでしょう。1000という数字は、人間の安全と住みやすさと未来のために活動している世界中のすべての女性たちの一つの象徴であるべきです。

それぞれの推薦は、あらかじめ設定されていた判定基準にしたがって精査されました。推薦者名簿からの選抜は、危機に対する異なった戦略や分野、そして困難な状態を打開するさまざまな方法を代表することに力点をおきました。コーディネータたちのみがこれらの選択に責任を持つべきではないため、彼らは、独立した助言者の委員会によって支えられていました。しかし1000人の名前の最終決定は、国際プロジェクト・チームによってなされました。

いかなる不確かさをも避けるために、私たちは、もう一度、強調しておきたいと思います。2005年ノーベル平和賞が1000人の女性たちに授与されるなら、それは、彼女らの全体にたいしてであって、決して彼女らの一人ひとりにたいしてではないのです。

私たちは、2005年ノーベル平和賞のための1000人の女性のなかに、あなたの名前、横井久美子さんの名前があるということをお知らせするのをうれしく思います。あなたの名前を含んだ公式の申請書の手紙は、2005年1月末に、オスロのノーベル賞委員会に手渡されました。それらの名前は、2005年6月29日に公表されるでしょう。その日まで、あなたの名前の登載を秘密にしておくよう求めます。もし、なにか質問があれば、あなたの地域の調整者にご連絡ください。

私たちは、いま、プロジェクトの第二の柱――平和の活動とさまざまな平和戦略への多様な接近を記録し、宣伝するという仕事にとりかかっています。私たちのプロジェクトのこの部分は、1000人の女性平和活動家についての本、双方向のオンライン・プラットホーム、そして移動展示会を含んでいます。その本と展示会は、一般公衆に、1000人の女性の勇気ある創造的な活動への洞察を得る機会を与えるでしょう。また、オンライン・プラットホームは、あなたが他の999人の女性たちと対話し、あなたのネットワークを強めることを可能にするでしょう。調整者たちは、いま、地域のジャーナリストたちといっしょに、推薦書にある情報やあなたとウェブサイトから集めた追加的情報を使って、プロジェクトのこのパートに必要となるテキストを準備する仕事をしています。このことは、あなたが書いたプロフィールと写真がその本やウェブサイトや展示会に使われることを意味しています。

すべてのチームを代表して、私たちは、2005年ノーベル平和賞のための1000人の女性プロジェクトへのあなたのご参加とご支援にたいし、感謝したいと思います。あなたは、重要な個人的な情報を提供し、私たちが、あなたの意義深い活動をはるかに広い規模で世の中へ示すことができるようにしてくれました。私たちは、あなたの、より平和な世界のための困難な活動をたいへん高く評価しています。それは、住みよい未来への重要な貢献です。2005年ノーベル平和賞に推薦されたすべての女性たちの献身と勇気は、たいへん感動的で勇気づけられるものです。そのため、私たちは、オスロのノーベル賞委員会が、世界の勇気ある女性たちに今年のノーベル平和賞を授与するよう期待しています。私たちは、あなたが、ご活動にいっそう全力をあげられるよう願っています。

心からの尊敬とご挨拶を

ルース・ガビイ・ベルモット博士
協会の発議者、代表
欧州議会議員

モニカ・ストッカー
副代表
チューリッヒ市議会議員

横井久美子
2005年7月6日

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