Kumiko Report 9/12/2005
「自民圧勝」ナゼ(?)

昨夜は、神戸「九条の心」、東京「声をあげよう女の会」、清瀬市「春秋楽座」と3日連チャンでライブがあり、いささかくたびれて、それでも、今夜は開票速報とずっと見るぞ!とテレビの前で勢いこんでいた。でも、もう次から次へ、自民党が勝っていて、もう小泉さんの高笑いを見たくないと思って、早々にテレビを見るのをやめて寝てしまった。

今朝から、自民党はナゼ圧勝したのだろう?と考えながら新聞を読んでいて、朝日夕刊の辛淑玉さんのコメントに共感した。

「キーワードは『憎悪』だ。無党派層の多くは不況でもっとも打撃を受けている都市部の若者。高学歴にもかかわらず不安定な状況に置かれている彼らの中には、バーチャルなナショナリズムに酔いしれ、ネット上でマイノリティーを攻撃する者も少なくない。小泉さんは彼らの憎しみを、不況でも身分が保障された公務員に向けさせた。このように『大衆の攻撃性』を扇動するやり方は、一歩引いてみると稚拙な手法だが、それにだまされるほど、社会は閉塞している。禁じ手を糾弾できずに沈黙し続けたメディアの罪は大きい(後略)」(9月12日朝日新聞夕刊、辛淑玉)

自殺者年間3万人余、フリーターやニートと呼ばれる人々がどんどん増えているこの経済大国日本。若者だけに限らず「経済弱者」といわれる人々は不安定な状況のために孤立化し、閉じこもり、そして、その逆エネルギーを憎しみに変えていく。「抵抗勢力」「身分の安定した公務員」という敵をつくり、単純な言葉をなんども繰り返すことによって「大衆の攻撃性」を敵にむけて「扇動」して、小泉自民党は圧勝した。

私は、何か考える時、もし私が、何も本当のことを知らない(知らされない)一市民だったらどうするだろうと思ってみる。今回も、そう考えると、私は、「自民党をぶっ壊してくれる」「既得権を打破する」「官から民へ改革する」小泉自民党に投票したと思う。

だから、私は、メディアの罪は大きいと思う。こうした小泉自民党の問題を、その裏側に潜んでいる根本問題を、深く分析し、追求せず、メディアは、ただ、「刺客」などという言葉で煽るだけで「圧勝」を許した。テレビは、1パーセントの視聴率で100万人の人が見ているという。

そんな巨大な力に立ち向かうには、本当に私たちの力は小さい。でも、いつも思う。「独りを恐れず、連帯を忘れず、一人から一人へ、私からあなたへ」であることを。私は、いよいよ「たたかうゴールデンエイジ」の真っ只中にいると。

横井久美子
2005年9月12日

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