Kumiko Report 10/16/2005
キムラ・リサブロー展

昨日、京都の「山総美術」ギャラリーで、「キムラ・リサブロー展」のオープニングパーティがあり、駆けつけました。木村利三郎さんは、国際版画ビエンナーレで受賞され、ニューヨーク近代美術館、フィラデルフィア美術館などに絵がコレクションされている、ニューヨーク在住の画家。これまでに製作した版画は800種というピカソ並の制作力。1960年代渡米され、ニューヨークで当時の池田満寿夫などと親交があり、81歳の今も精力的な作家活動をされています。

今回、東京の六本木ヒルズをはじめ、各地で展覧会が企画されていますが、京都のプロデューサーが、友人の隅井美紗子さんであり、また、京都にはたくさん友人もいるので、京都の展覧会へ出かけた次第。木村さんの絵は、以前に見たときより更に、色使いが豊富で躍動感に満ちていて、80歳を超えてもスゴイ!と感銘しました。

またスゴーク嬉しいことが。画廊に着くと木村さんについての映像が何本か編集して映されていて、その中にナント私が作った映像が流れていたのです。私は1990年〜1991年にかけて衛星チャンネル(現朝日ニュースター)のビデオジャーナリストをしていて、7本の番組を創りました。私は、一人で映像を撮り、編集して、スタジオでレポートするという当時では斬新な企画に参加していたのです。その1本が「ニューヨークに生きる日本人アーティストたち」で、3人のアーティストのうちの一人が木村さんで、ニューヨークの彼の芸術家アパートをたずねて、制作活動や生活をレポートしたのです。その映像がこんな風に役に立っているなんて感激でした。それが、なかなかよく出来ているんですよ。

そういえば、先日、JCJ(日本ジャーナリスト会議)の授賞式で、綿井健陽さんがJCJ大賞を受賞されたのですが、彼の上司(?)のアジアプレス代表の野中章弘さんが参加されていました。アジアプレスといえば、イラクなどで大手のメディアが退去してもニュースを伝え、いまやスゴく貴重で活躍している会社です。その野中さんも、ビデオジャーナリスト仲間(?)なのです。とはいっても、当時から映像に関してはアチラはプロ。こちらはアマチュアでいろいろ教えていただいたという仲ですが、、。

京都は、春秋楽座の幕の字の作家であり、昨年の京都コンサートの立役者、畠中幸代さんに会うのも楽しみでした。この楽座の幕は、どこでもとても評判。畠中さんもカリグラファーとして、いっぱい大きな仕事をされていて、その活躍ぶりを聞くのは嬉しい。

また、そのお仲間で、京都のコンサートにいつも顔を出して下さる方二人。写真右の岸映子さんは、陶芸家。昨年はニューヨークで個展をされ、今回は、ボストンの美術展から帰国したばかり。陶芸の世界では有名な故八木一夫や故鈴木治などの作品と肩を並べての日本展だったそうです。彼女の作品は、海外で買うと1個100万円もすると、ニューヨークの個展に参加された木村さんが言っていたっけ。スゴイね。

左側の方は、富沢千砂子さん。国宝や重要文化財の復元のお仕事をされている。平山郁夫のチームで高松塚古墳の壁画の修復などもされたそうだ。私にとっては、まったく身近にない仕事をしている方でとても興味シンシン。

京都は、落ちついた町並みの中を、小さな川が流れ、柳の木が土手に揺れて、本当に風情のある街。そして、こうして日本や世界に羽ばたいている芸術家と顔を合わせておしゃべりをするのは楽しい。トンボ帰りの京都行きでしたが、久しぶりに楽しい楽しいひと時でした。

横井久美子
2005年10月16日

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