Kumiko Report 5/12/2006
ベトナム報告1

ベトナムから帰国しました。今回もまた、ものすごく充実したツアー&コンサートでした。何より誰一人お腹をこわす人がいなくて(昨年は半数がヤラレテしまった)元気いっぱいで帰国しました。ハノイに到着したその日は、ベトナムの伝統芸能である水上人形劇を見ました。ホテルは、2004年の時と同じ高級ホテル「メリアハノイ」。あの時、キューバのカストロ首相にホテルのロビーで会って私は「ビバカストロ!」と叫んだのです。SPに睨まれ排除されましたが、、、。

さて、翌日5月3日の午前は、今回のハイライトの一つである「枯葉剤被害者の会」 への訪問。枯葉剤被害者の会は、2004年1月に発足し、3人のベトナム人がアメリカの製薬会社に対し訴訟をおこした。私は、その2ヵ月後の3月に「被害者の会」を訪問し、元厚生大臣で眼科医である会の副会長であるグエン・ツオン・ニャンさんとお会いしました。3月の時は、私一人だったのですが、今回は、ツアーのメンバー24人と一緒。この訪問は、午後の平和村での子ども達との交流会とあわせて、テレビのニュースになり、英字新聞の「Vietnam News」や「ニャンザン」、その他幾つかの新聞で報道されました。

「Vietnam News」では、「Japanese star supports Agent Orange victims' lawsuit」というタイトルで新聞に写真入りで報道されましたが、電子版は以下のアドレスです。
http://vietnamnews.vnagency.com.vn/showarticle.php?num=03SOC040506

ベトナム共産党機関誌「ニャンザン」は、次の通りです。
http://www.nhandan.com.vn/tinbai/?top=37&sub=50&article=60992#top



2004年1月に起された枯葉剤被害者の提訴は、2005年3月、「証拠不十分」として敗訴判決がでて、現在、控訴している。枯葉剤被害はベトナム特有の風土病という内容の判決だったが、このアメリカの判決は世界的に非難が起こっている。1984年、ベトナム戦争に参加した元アメリカ兵が、製薬会社各社に集団訴訟を起し、裁判所は、製薬会社に1億8000万ドルの賠償金を払うことを命じた。また、アメリカ政府の元兵士問題省では「1967年〜73年の期間に元兵士がベトナムで服務し、かつ枯葉剤と関連があれば、枯葉剤の影響を受けたとみなす」としている。アメリカ人には、枯葉剤との因果関係を認めるのに、ベトナム人には認めないのは、人種差別との意見も出されている。

昨年秋、私は新聞で、グエン・ツオン・ニャン副会長はじめ「被害者の会」のメンバーが、ヨーロッパに出かけこの問題を訴えられている記事を見た。日本でも「ベトナムの枯葉剤被害者を支援する日本委員会」が、安齋育郎さん、中村梧郎さんなどの呼びかけでつくられ、私もその「日本委員会」のメンバーです。



今回の訪問は、昨年11月20日、「人類は二度と戦争をするな!今、ヒロシマ、ナガサキ、ベトナム」と読売ホールでしたメッセージライブで寄せられたカンパをお届けすることでした。ニャン副会長は、2年前にお会いした時より、その後のヨーロッパ訪問などで世界に訴えられてきたせいか、24人もの人が応接室いっぱいに詰め掛けたせいか、ズッと迫力があった。オーストラリアがつくったテレビ番組を見た後、ニャンさんとの懇談。北九州市から参加した方は、「ベトナム戦争の時、日本は韓国やオーストラリアと違って、憲法9条があったから参戦せず、枯葉剤の被害に会わなかった。今後も憲法9条を守る運動をしていきます」と発言された。最後に、私は、「ベトナムはアメリカを打ち負かした世界でただ一つの国です。だから、また是非、今度は裁判でアメリカを打ち負かしてください。私たちも応援します」と伝えて二時間近くの訪問を終えました。

つづく。

横井久美子
2006年5月12日

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