Kumiko Report 6/13/2006
嬬恋村での春秋楽座



6月10日、第238回目の春秋楽座が群馬県嬬恋村のペンション「まほうのじゅうたん」でありました。
高崎から吾妻線にのって、万座鹿沢口駅で下車。駅には、新たに組長になられた黒岩さんが車で迎えてくれました。

「嬬恋村によっておいで30人組」は、昨年、9月に、ペンション「まほうのじゅうたん」の伊藤洋子さんが高橋剛さんに依頼されてはじめて開催したのですが、その時は、人数が集まりすぎて急遽、別のペンションで行いました。今回は、最初の意図どおりペンション「まほうのじゅうたん」で、30人(それ以上は入れない)で開催。嬉しいことに今回の楽座は、前回いらした地元の方が多くて、とても地域に根ざした楽座になりました。

組長の黒岩さんは、若いお母さんですが、最初の挨拶で、「私は、横井久美子さんを全然知りませんでした。でも、前回、はじめて『人生のはじまり』を聞き、自分の歌だと思いました。私も子どもを抱えて離婚して、横井さんの歌が好きになりました。」参加された方々と顔なじみでもなく、また、その方達よりずっと若い黒岩さんが、自分の体験を皆さんに率直に話される姿に、私は、なんと勇気のある女性だろうと思いました。

参加者の中には、「先輩からずっと横井久美子の名前を聞いていて、コンサートに3回誘われてもいけなくて今日初めて聞きます。でもその先輩が亡くなってしまって、、、。」という牧場経営者の男性。また、「『にんげんをかえせ』を、子ども達にずっと暗唱させてきました。」という元小学校の先生。「私たちの9条の会で『にんげんをかえせ』を50枚広げます。」という方達。

そいう熱気が伝わったのか、やはり30人という人数がよかったのか、今回は、休憩ナシで2時間語って歌って、それでも、ハープを弾く時間もなくなるという事態に。ハープは、その後の交流会でケーキやコーヒーをいただいたあと披露し、リクエストも出て「私の愛した街」を歌いました。その夜は、その「まほうのじゅうたん」に泊りたかったのですが、このところ本当に忙しくて、また、吾妻線にのって、帰りは特急がなくて普通でゆっくり帰ってきました。

春秋楽座は、地域に根ざし、異業種、異年齢の方々が、出会い、語らい、分かちあう場として始まりました。30人という数は、先生方が「30人学級」を目指しているように、集団としてまとまり、なおかつ、一人一人の存在が分かるという人数です。東京に向う車中、改めて「30人組」の意味を考え、今回、改めて、最初の意図の確かさが身にしみました。「人間破壊」がますます進むなか、こうした文化を柱にしながら人と人との丁寧なつながりを広げていく場としての春秋楽座。とてもやりがいのある企画だと自画自賛しながら家に到着しました。

横井久美子
2006年6月13日

KumikoReport Index HOME